マニアの間で幻と言われている川浦ダムへ行ってきました。
幻のダム
ダムマニアの間では幻のダムと呼ばれている川浦(かおれ)ダム。 中部電力が所有する揚水式発電用ダムで奥美濃発電所の上池を形成しています。下池である上大須ダムとの間で揚水式発電を行っています。
このダムがなぜ幻と呼ばれているのか。その所以は到達難易度が非常に高いことにあります。
一般公開されていない当ダム。訪れるには、登山道や鉄塔巡視路、道なき道をを駆使する必要があります。登山経験がそれなりにないと訪問が難しいのです。
今回はそんな悲境にあるダムへと訪問しました。
※川浦ダムの訪問には「地形図読図・登山に関する知識・装備・経験が必要です。一般の方が無闇に軽装で訪問されることを推奨しません。
参考程度ですが、今回ダム保守用の林道への到達の概略経路は以下を使用しました。尾根までは道がありませんが、それ以降は鉄塔巡視路があります。そのほかの経路については、登山者の山行記録などを検索するとヒットしますのでそちらも参考にされるとよいかと思います。
突撃開始
今回は、川浦ダム訪問者の記録や地形図を参考に上記で紹介した経路で保守用林道へ到達します。現地に到着するとそこは道などないただの斜面。地形図と登山で培った感覚でルートを決定しながら登ります。
しかしながら、これほどの急斜面であっても、間伐の手が入っているようです。林業の方のすごさを感じますね…
尾根道は途中から鉄塔巡視路になっており快適な登山道になりました…楽ちん。。。
荒れた登山道を歩くこと約1時間。管理道路へ出てきました。ここからは、ひたすら舗装されたこの道を登り続けることになります。
ほとんどの法面はしっかりと保護されていますが、一部は斜面崩壊を起していました。所々で落石防止ネットが仕事をしています。管理用道路ですが、一般道とは違い事業用地レベルの保護しかされていないため、歩く際にも常に注意が必要です。
管理用道路にはトンネルがあります。写真のこちらは「一号トンネル」です。
川浦ダムに到達するまでに3つのトンネルがあり「一~三号トンネル」と命名されています。二、三号トンネルは少し長め(最長200m程度)で中が非常に暗いです。また、湧水個所もありますので防水のヘッドライトがあったほうがよいでしょう。
管理用道路を歩き続けて最初に目の前に現れるのが「川浦鞍部ダム」です。
重力式コンクリートダムで、川浦ダムの貯水位を保つために建設されています。
地形図より個人的に考察する限り、「廻り谷」側へ落ちる部分の尾根が薄く高さもないため作られたのではないかと推測されます。
「川浦鞍部ダム」から更に管理道路を歩いていきます。先程触れた「二号・三号トンネル」を抜けていきます。中は涼しく勢いよく水が出ている個所もあります。
ついに到達・・・
そして、他のサイトでも有名なヘリポートが現れるとダムはすぐそこです。
「川浦ダム」を示す表示が目の前に現れました。非公開とされているダムとは思えないほど立派です。近くにはダムの概要を紹介する看板などもありました。
そしてついに・・・
目の間に現れました。。。あの幻の「川浦ダム」。
アーチ式で堤高107.5m。下を覗き込むだけでも足元が震える高さです。
川浦ダムは西ヶ洞に作られており、沢の遡行好きの間では有名な場所です。またこの近くには「ドウの天井」と呼ばれる遡行者のみぞ知る秘峰があった場所でもあります。
現在も「ドウの天井」は存在していますが、ダム建設に伴い道路ができ、昔の秘峰の面影は残っていません。ちなみにドウの天井とは「(西ヶ)洞の一番高いところ」が由来があります。登山あるあるな命名なんですけどね(笑
ダムを歩いていくと先には道路がなくなります。地形図によると、その先にも道路とトンネルが描かれています。また、案内板には遊歩道の表記が。。
とりあえず道なき道を歩いてみました。舗装が所々に残っている状態でした。残念ながら、途中にて倒木に阻まれてしまい断念しました。トンネルがあるので拝んでみたいものですが…
鞍部ダムまでもどり、石机にてお昼ご飯を食べました。山で食べるインスタントラーメンはほんとに美味しい( ˘ω˘)あとは、登ってきた道をひたすらに戻っていくだけでしょう。
なお、今回は長期連休に訪問しましたが、山行開始から終了まで誰一人として出会っていません。(途中でお猿さんがいて、木を揺らして威嚇されましたが…w)
携帯回線もほぼ「圏外」という結果になりました。このダムがそれだけ秘境にあるということです。ご訪問される方がいましたらくれぐれも怪我無く安全にお楽しみください。
コメント